第21回ワンコリアフェスティバル2005 ONE KOREA FESTIVAL 21st 2005

ワンコリアフェスティバルの報告

 

ワンコリアフェスティバル実行委員会
実行委員長 鄭甲寿

 第21回ワンコリアフェスティバルが、1985年に始まって以来最も多い、延べ5万人もの人々が入場する中、さる10月30日、大阪城公園太陽の広場にて開催されました。

 ワンコリアフェスティバルは20年前「解放」40周年を機に始まりましたが、今回と同じ太陽の広場で200人しか集まらないという悲惨な出発でした。

 ワンコリアフェスティバルを再び17年ぶりに太陽の広場で開催するようになって今年で4年目ですが、この間1日延べ2万人前後の来場者で推移してきました。ですから今回は一気に2倍以上の規模になったわけですが、実は当初から今回は延べ5万人を目標にしていました。その目標が達成されました。

 この目標の設定には主に二つの理由と根拠がありました。

 ひとつは、今回初めてコリアNGOセンターと共催ですることによって、組織的で系統的な管理・運営が可能になったということです。

 私自身代表理事を務めていますが、同じく代表理事の宋悟氏が、当センターの理事である鄭龍寿氏とともに両事務局長の一翼を担いました。またその管理・運営にイベントの専門会社であるファニーメーカーズが積極的にサポートしてくれたことによって、より円滑に進めることができました。

 もうひとつは、企画内容として「韓流」を大胆に取り入れることができたということです。

 「冬のソナタ」の権海孝氏や朴賢淑氏、「大長今」の任虎氏が舞台あいさつやサイン会で参加し、K−POPの若手人気歌手のDuke、Tei、Lee&がステージ公演をしました。彼らも朴保バンドや散打ら在日コリアン、黒田征太郎氏や近藤等則氏ら日本人の出演者と同様、趣旨に賛同してノーギャラでの出演でした。

 今回「韓流」を取り上げたのは、歴史上未曾有の韓国への日本人の関心を、韓国にとどめるのではなく、「韓流」を活用して、ワンコリアフェスティバルのメッセージである南北統一、「アジア共同体」へと広げ、と同時に主催者である在日コリアンに目を向ける機会にするためでした。

 その後のマスコミやインターネットなどメディアを通じて知ることのできる反応を見れば、その目的は十分果たせたと思います。多くの参加者が楽しい雰囲気のなかで自然体で異文化に接しながら、ワンコリアやアジア、在日コリアンの存在に気づき、身近な問題として考えるきっかけになっていることが分かります。

 ここで改めてワンコリアフェスティバルのメッセージであるビジョンを述べたいと思います。それは「在日同胞がまずハナ(ひとつ)になって、統一のシンボルとなり、祖国南北・海外同胞のパイプ役としてワンコリアの実現に貢献するとともに、究極においては、世界市民に連なる『アジア市民』創出のための『アジア共同体』をめざす」というものです。

 周知のように、さる12月14日から歴史上初の「東アジアサミット」がマレーシアで開かれ、16ヶ国の首脳が集まりましたが、そこでの重要なテーマが「東アジア共同体」でした。

 しかし、これを報じる日本のマスコミの論調は、日本と中国の主導権争いに焦点を当てているものばかりで、人類史における意義や目指すべき理念やビジョンなどに踏み込んだ内容はほとんどありませんでした。

 ワンコリアフェスティバルが目指す「アジア共同体」の目的は、一貫して訴えてきたことですが、人権と民主主義、市民的自由のアジアにおける普遍的実現、それを通した確固たる平和の確立にあります。経済統合や安全保障は、地域統合の重要な手段、過程ではありますが、それ自体が目的ではないでしょう。

 ワンコリアフェスティバルが15年前「アジア共同体」を掲げだした頃、日本のメディアは「アジア共同体」どころか地域統合を試行錯誤しながら進めてきた「ヨーロッパ共同体(EC)」に対してさえ否定的、懐疑的でした。当然その後のEU(ヨーロッパ連合)への発展、共通通貨の「ユーロ」の実現を見通すことができませんでした。いま「東アジア共同体」が現実的な課題となっているなかで、相変わらず未来への洞察に欠けた目の前の現象だけにとらわれた見方をしているように思われます。

 それだけに、在日コリアンが市民の立場から「東アジア共同体」のビジョンをより明確にし、普遍的な理念を訴えることは一層大切だと思います。

 ワンコリアフェスティバルは、その重要な契機の一つですが、今後はコリアNGOセンターと共にこうしたビジョンとメッセージをより深めていき、様々な具体的な行動へとつなげていけるよう努めてゆかなければならないでしょう。

 その意味で、今回韓国の多くの市民団体からなる「韓日友情のチャンチ(宴)組織委員会」(以下チャンチ委員会)との協働も意義深いものがあります。

 チャンチ委員会は、「解放」60周年に際し、日本で苦労してきた在日の高齢者および韓日の友好に尽力された人々に敬意を表すとともに、感謝の意を込めて、韓国の伝統的な滋養料理である「参鶏湯(サムゲタン)」を無料提供しました。会場に食事席約2000席を用意し、約4000食もの「参鶏湯」が振る舞われました。またチャンチ委員会は韓日市民交流のために、韓国市民社会の発展に寄与している市民団体・NGOを紹介するブースも置き、各団体メンバーによる説明や来場者との活発な意見交換を行っていました。

 また、前日に大阪市内でおこなわれた「第4回東北アジアコリアンネットワーク国際会議」(主催コリアNGOセンター/韓国・東北アジア平和連帯/韓国・全南大学世界韓商文化研究団)に参加した中国、ロシアなどに在住する約50名の海外コリアンも参観に訪れました。

 さらに韓国の教育人的資源部の要請により設置したソウル大学、高麗大学、延世大学など16大学による「韓国大学留学誘致フェアー」も終日盛況でした。

 日本語と朝鮮語と少しの英語が飛び交う、こうした市民交流、人的交流の場が実際に持てたことは、今回のフェスティバルの大きな成果であり、今後も市民交流を活性化する機会として発展させていかねばならないでしょう。

 もちろん焼き肉やコリア料理など一般の飲食ブース、フリーマーケットコーナーなども大にぎわいで、身動きがとれなくなるほど混雑したりもしました。その他にも子どもの遊びコーナーなど、ともかくどこも大盛況でした。

 こうして当日は延べ5万人もの人々で会場はごった返すほどの熱気に包まれました。

 当日の運営に関しては5万人を目標にしたにもかかわらず、現実の5万人の重さを十分にシュミレーションし切れなかった事務局の力不足で、いろいろと不備はありましたが、約150人のボランティアスタッフの皆さんは本当によくやってくれました。

 この規模の拡大に対応する財政拡大も多くの心ある商工人、個人、団体の支援によりほぼ目標に達しました。

 これらの協力・支援などのお陰で今回は大きな成功を収めたといえるでしょう。

 これまでのフェスティバルが、いわばゲリラ的、個人商店的なものであったとすれば、今回ははじめて組織的・企業的なものになったといえるでしょう。

 ゲリラ的であればこそ、これまでは様々な事態や難関にも柔軟に対応して続けてこれた面はありますが、いまやその必要はなくなりました。

 今後はコリアNGOセンターとともに、さらにしっかりした組織的運営と一層の財政基盤の拡充が求められます。
 

収支報告

 
項目 小計
収入 助成金 \ 1,670,000
協賛金 \ 1,900,000
事務費カンパ \ 26,428
韓国チャンチ組織委員会 \ 5,000,000
韓国人的資源部 \ 470,000
賛助広告料金 \ 6,785,000
運営収益 \ 3,193,875
事後収益 \ 510,882
総収入 \ 19,556,185
支出 広告・宣伝費 \ 1,180,200
製作販売仕入れ \ 1,671,192
事務局費 \ 1,632,414
会場・ステージ \ 7,694,190
出演者関係 \ 1,128,660
会場運営関連(設営什器・備品など) \ 4,840,668
ブース関連 \ 292,835
人件費(運営) \ 444,328
打ち上げ費 \ 339,771
総支出 \ 19,224,258

収支

\ 331,928