今、私たちは夢に向かって新たな一歩を踏み出し、歩き始めようとしています。
その夢とは、 今日のグローバル化時代にふさわしい在日コリアンの文化ルネッサンスを創造することです。戦後、 在日コリアンは、芸術、芸能、スポーツ、文学、学術など文化的分野において目覚しい活躍をし、多くの実績を積み上げてきました。にもかかわらず、日本とコリアとくに韓国の間で飛躍的に深まり、広がっている文化的影響、文化交流の中で、その実績に見合う存在感を発揮しているとは言えません。しかし、グローバル化時代こそ在日コリアンの文化の特性である国境を超えた「マージナル(境界)性」、「多文化性」が求められるのであり、意識するとしないとにかかわらず、この特性を誰よりも帯びている在日コリアンは、この特性をさらに自覚し磨くことによって、世界に羽ばたく無限の可能性が開かれています。それはまた、日本にもコリアにも大きな刺激となるでしょう。
今日の韓流を導いてきたのも、映画「月はどっちにでている」で在日コリアンの映画を一躍メジャーにし、韓国映画「シュリ」「JSA」など韓国映画のすばらしさをを日本に紹介した在日コリアンの映画プロデューサー・李鳳宇の先駆的役割がありました。彼自身日本映画を製作し韓国のみならずヨーロッパの映画を紹介するなど、マージナル性と多文化性を体現しています。 今回、彼が配給する韓国映画「ハナ ~奇跡の46日間~」を応援する集いをもつのも、この先駆性の延長にあります。
一方、ワンコリアフェスティバルは1985年発足以来、アジアの平和と発展のために南北コリアの統一のみならず、1990年いち早く「東アジア共同体」の実現を訴えてきました。これもまた、マージナル性と多文化性を持つ在日コリアンの発想にほかなりません。
今日、東北アジア諸国間の緊張関係が深刻化しています。とりわけ分断状態にある南北コリアは世界に深刻な不安を投げかけています。 このような時だからこそ、1991年初めて南北の統一チームが荻村伊智郎・国際卓球連盟会長(当時)の尽力で日本で実現し、 在日コリアンが南北の壁を超えて単一応援団「コリア」として応援した感動の物語である映画「ハナ ~奇跡の46日間~」が、その日本で上映される意義は、ますます大きいといえるでしょう。
つきましては、映画「ハナ ~奇跡の46日間~」の4月20日全国上映に先立ち、下記の内容で、映画「ハナ ~奇跡の46日間~」公開記念特別イベントを開催する運びとなりました。とくに今回は、当時の貴重なドキュメントをご覧いただくことができます。また、これを機に在日コリアンの可能性を現実のものとすべく、新たな文化的ネットワークを形成していきたいと思っています。
皆様のご参加、ご賛同を賜りたく心よりご案内申し上げます。
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