しかし、結果は惨憺たるもの。一万人の聴衆を集めるもくろみが、延べ千人足らず。客席には関係者の顔ばかり目についた。
1985
8･15 40
民族 未来 創造
ＦＥＳＴＩＶＡＬ
在日同胞こそまずひとつになってワンコリアのシンボルとなろう！
祖国南北の、海外同胞のパイプ役として、ワンコリアの実現を目指そう！
純粋にして素朴な感情で１９８５年、ワンコリアフェスティバルは大阪で産声をあげた。
一世に比べ祖国の思いが希薄になり、そうかと言って日本にも同化できない二世、三世
に、在日コリアンとしての存在意義を喚起するには、自分達の誇りと国際社会で果たせる
役割についてイメージで示すことが必要。その切り口として、若い世代が関心を寄せる
ロックやジャズなどはどうだろう？この分野では在日コリアンの活躍がめざましく、その
協力を得てメッセージを送れば効果があがるのでは――。
こうして、「解放４０周年」を記念して、第一回フェスティバルの幕はあがった。
| 名称は「パリロフェスティバル」。開催も８月１４〜１６日の３日間、大阪城野外音楽堂でスタートした。ロック、ジャズミュージシャンの他、韓国の古典舞踊と朝鮮歌曲の在日アーティストがはじめて共に舞台に立った。パンフレットの広告に、韓国系の大阪興銀(現・関西興銀)と北朝鮮系の朝銀大阪が並んで名前を出してくれたのも画期的だった。 しかし、結果は惨憺たるもの。一万人の聴衆を集めるもくろみが、延べ千人足らず。客席には関係者の顔ばかり目についた。 |
1th 1985 8･15 40 民族 未来 創造 ＦＥＳＴＩＶＡＬ |
演劇企画「マダン」
劇
パリロフェスティバル出演者
わが民族が日帝のくびきから解き放たれて、すでに40年になります。しかし、解放40年を迎える今日、「解放」という躍動的な言葉よりも、「分断」という沈滞した言葉が私たちの心の中に、杭のごとく打ちこまれているのは、大変不幸なことであるといわざるを得ません。国土は両断され、民族は分かれて暮らし、その上、民族個々人の意識までもが異質化している厳酪な現実。このような現実を、わが在日同胞ひとりひとりの主体的な生き方の問題として、その克服のための出路を開こうと企画された今回の「８・１５ ４０民族・未来・創造フェスティバル」は、東京で活動している私たちにも新鮮な衝撃を与えました。
私たちは、まだささやかな演劇企画「マダン」を大阪のフェスティバルに招請して下さった実行委員会に深い謝意を表すると共に、今回のフェスティバルの趣旨に賛同するものであります。
わが演劇企画「マダン」は、昨年の7月4日に、南北共同声明発表の歴史的な日に旗を上げて後、一貫して、在日同胞たちの民族精神を高揚し、分断された民族の統一のために、微力ではあるが精進してきました。
私たちは、今回のフェスティバルを通じて、日本においての民族文化の創造と統一未来を志向する草の根運動において、ひとつの契機が形造られるであろうことを信して疑いません。
私たちが走って行く東京―大阪の500キロの道のりが、ピョンヤン―ソウルの近くて遠い150キロの区間を縮めるのに，少しは寄与できるものと信じております。
フェスティバルの成功をめざして共に尽力しましょう。
(1985)
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