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康珍化
プロフィール
'78「バスルームから愛をこめて」(山下久美子)で、作詞活動に入る。
'84日本レコード大賞・作詞賞「桃色吐息」(高橋真梨子)他、FNS歌謡祭・グランプリ2回、日本レコード大賞・金賞2回など、数多くの音楽賞を受賞。
'90年6月までに発表された作品は800曲以上。映画「稲村ジェーン」(桑田佳祐監督作品)の脚本、映画「トウキョウ・ステップ」(東北新社製作)の原作・脚本。
第5回ワンコリアフェスティバルでテーマソング『ハナの思い』を作詞。
それはそこにあるものとして、そして容易には破壊できないものとして、長いあいだ盛り上がった傷あとのように横たわっていた厚い壁が、ある日あっけなく取りのぞかれるのを見ました。そして時間の流れと、硬直したものの崩壊を感じました。半島に祖先をもつ極東の異邦人たちのフェスティバルが、不自然なものの治癒力に成長していくことを今年も祈っています。
金守珍(劇団新宿梁山泊代表)
第6回ワンコリアフェスティバル演出
今回は虹をモチーフにワンコリアのテーマを表現します。
いうまでもなく虻は、太陽の光が屈折でいくつもの色に分かれることによって生じる現象ですが、我が民族の色とされる白は太陽の光の白であり、我が民族独特の色の配置であるセットンも虹の色なのです。
我が祖先は、虹の彼方に極楽の存在を信じ、子供たちの幸せを祈ってセットンのチョゴリを看せたといいます。こうした太陽の白と虹の色の関係は、白に喩えるべきワンコリアと虹の各色に喩えられる祖国南北並びに海外同胞との関係を象徴する上でもっともふさわしいモチーフであると思います。また、虹は架け橋であり、祖国の南と北、祖国と海外同胞の間を架ける橋をも意味します。― 熟い夏の空に虻をかけよう!
糸永雅文(ゼロフェスティバル代表)
富士原美千代(写真家)
プロフィール
1963年 奈良に生まれる
84年 シュピーゲル賞
86年 個展「スぺキュレーション」大阪
87年 個展「スぺキュレーション」東京
88年 APA 金丸重嶺賞
ローデンストックフォトコンテスト グランプリ受賞
個展「イリュージョン」大阪
89年 ロンドン・サロン・オブ・フォトグラフィに入賞 個展「ヌード」東京・大阪
今年のワンコリアフェスティバルのテーマは虹です。「なぜ虹か」ときくと「一人一人が違った個性に輝やいている。その光があつまり北と南に大きな虹がかけられる」ということでした。
どのような時も押しつけや強制することによって生まれてくるものに真実はないと思います。一人一人が自分らしくある。そこに私達が生まれ生き続ける意味があるのではないでしょうか。
上から押しつけられた平和というものを私は信じません。生命の尊さを知る人間、個々から生まれる平和な心こそ本当の自由を創りあげてゆくのです。
今回の表紙制作にあたり彼らがシンボルとしている虹は、民族衣裳のシンボルカラーでもあるとききました。空に舞う同じ民族の虹。南に住む人々、北に住む人々が同じ視点で、同じ意識で虹を見あげる日が来ることを信じます。8月5日には、それぞれの心と心に大きな虻の橋がかけられるでしょう。
高麗書道連盟会長 康 秀峰
たたかいで かちとるよりも
あいで かちえたい
あらそいは たがいに きずつき
にく しみを うむ
あいは ひとをそだて
すべて・・・・・・・・・
みとめあう こころをそだてる
いろがしろくても、きいろくても、くろくても、めがみえなくとも、あしがなくても、
てがなくても こころは ひとつ
ねがいは ハナ()
はしだ のりひこ(フォークシンガー)
最近出会った若きコリアン達には驚嘆させられる。ワンコリアフェスティバルの鄭甲寿氏。新宿梁山泊の金守珍氏。彼等は自分の好きなこと、したいことを徹底して実現させるエネルギーに満ち溢れている。好きなことをひたむきに追求し、決して諦らめない熱意こそ“素晴らしい創造性”の源である。自己愛に溢れ、逞しい理念に燃えた若者達の力の結果は、やがて巨大な壁を突き崩すに違いない。
呉 徳沫(映画監督)
1990年。今世紀最後の10年が始まった。今年は、「在日」の存在の究極的原因である日韓併合から数えて80年、さらに祖国が日本のくびきから解放されてから45年目にあたる。
しかし、悲しいかな未だに祖国は南北に分断されたままだ。
哀号!!
東西両ドイツの通貨統合に象徴されるように、今や世界は対立の時代から融合の時代へと大きく変様を遂げようとしている。
そういう中にあって、この日本の地で、「在日」という共通項をフルに活用して行われてきた民族の祭典・ONE KOREA FESTIVALは革命的祭典たり得る無限の可能性を秘めている。
社会の変革は、政治の力によって達成されるものである。しかし、その政治を動かす力は、熱情的芸術の力による場合がしばしばである。それは世界の歴史が証明している。
祭典にあたって、天に向って大いなる雄たけびをあげようではないか。
「ハナーッ!! ワン・コリアー!!」と。
小林 恭二(小説家)
プロフィール
85年「小説伝」が第94回芥川賞候補となり、新世代作家の一人として注目される。著書に『小説伝・純愛伝』『ゼウスガーデン衰亡史』『実用青春俳句講座』なとがある。
“ゆっくり急げ”
大学を卒業するとき先生から贐(はなむけ)に項いた言葉で『ゆっくり急げ』というのがある。おそらくもとはギリシア語だかラテン語だかの箴言だろうが、甲寿さんにはそんな風情がある。
実際、甲寿さんはいつも忙しく動き回っているわりには、会うと存外のんびりした空気を漂わせている。そのくせ気がついたときには思いもよらず遠くまで到達してたりする。まさしく『ゆっくり急げ』なのである。
思えば、ワンコリア・フェスティバルという一見至難な催しも、甲寿さんがゆっくり急いでいるうちに、思いもよらず遠くまで行き着くかもしれない。ゆっくり、ゆっくり、急いでいるうちに。
李 康則(焼肉屋主人)
―平和な星から―
「あの地球って星は不思議だね。みれば、オゾン層も、自然環境もどんどん破壊されていくし、すんでいる生きものも、いがみあい、殺し合いをしているようだし。」
「青いガラスのように綺麗な星なのになぜだろうね。よっぽど心がすさんじゃってるのかな」
「おや?最近あの大きな大陸を中心に、徐徐に別の動きがでてきたようだけど。」
「本当だ!ちょっと見てごらん。大陸の東にあるあの半島…。分断されているようだけど、以前と大きくかわりつつあるようだよ。」
「ウン、なにか若い生き物の熱気がすぐ隣の列島からここまで伝わってくるようだね。」
「そう!それがやがて大きな力となり我々が何万年も前になしとげたように、近い将来、統一されるんじゃないかな。」
「たったひとつしかない、かけがえのない星だもんな。大事にしなくちゃ!」
金 正規(キム ジョンギュ)
国連ユネスコ勤務 朝鮮民主主義人民共和国
解放の歓びと分断の悲しみを同時に抱いて生まれた解放っ子である私のその頭に白髪が見え始めた今日に至るまで、ウリナラはふたつに断ち切られて血脈を継ぐことができずにいます。近所の村に右ころ1つ投げることさえ嫌う我が民族がなぜこのような苦痛を受けなければならないのでしょうか?
祖国統一はもうこれ以上待てない民族の大業です。先祖の骨が高麗の地に埋められ、倍達民族の血がからだに流れる人ならば、地球上のどこで何をし何を信じて生きていようが、祖国統一の為に声を合わせなければなりません。
このような意味において皆様が主催するワンコリアフェスティバルは誠に意義のある催しだと言えます。祖国統一の為の皆様の熟い叫びに私と私の妻子たちの声も合わせて下さいます様お願いします。
1990.7.11. パリにて
サムルノリ 韓国パーカッショングループ
私たちサムルノリのグループはこの12年間、聖なる古都エルサレムやソ連の首都モスクワ等、世界の至る所で公演を行なって来ました。
その間、民族的背景において、政治経済体制において、また、哲学や宗教において様々に異なった人々と出合って来ましたが、ひとつ極めて明白になった点があります。それは、音楽を通じて、舞踊を通じて、芸術を通じて、私達は民族、国家のちがいを超越することができるということです。
サムルノリのメンバーは全員、朝鮮戦争中に、あるいは、その直後に生まれた世代です〈私たちは、当時の軍事紛争について直接的には記憶を持ち合わせていないけれども、ある意味では、わが国を依然と二つにしている政治的分断の犠牲者であるともいえます。「ワン・コリア・フェスティバル」は、韓国を二つにしているこの政治的分断を、芸術を通じて克服しようと、過ぐる5年間、一貫した試みを行なって来ました。
南北分断の問題を解決しようと、過去、様々なアプローチがなされて来ましたが、しかし、常にイデオロギー問題のため停滞してしまいました。「ワン・コリア・フェスティバル」が訴えているのは、統一へのアプローチにおける、正に、この人間性の欠如に対してであります。南北はひとつになるべきであり、南北の和解は、人間の精神に訴えることによって達成が可能です。
1990年春、サムルノリはベルリン公演を行ないました。ベルリンでは、かって東西ドイツの人々を分断していた恐怖の壁が取り壊され、その破片が、通りでお土産として売られていました。しかし、私たちサムルノリのメンバーにとっては、彼らに対して祝福をしつつも、自分たちの祖国は未だに分断されているのだという事実があるのみでした。
この度、韓国から「ワン・コリア・フェスティバル」において公演することになった私たちサムルノリは、近い将来、政治・思想的対立が後方へと追いやられんことを望んでいます。そして、前線では、人間の精神を祝福し、高揚させる、このようなイベントが数々催され、全世界を、この世代を、そして来たるべき世代を包囲すべきであります。
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