2002年 秋 日韓同時上映
日韓合作映画『夜を賭けて』に賭ける想い
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◇ ここは音楽で、ガツンと決めないと ◇
最初に金守珍から『夜を賭けて』の音楽をやってほしいと言われたときは、本当に嬉しかった。僕らのさまざまな出会いのなかで、成るようにして成ったという気がするし、今となっては、「この映画の音楽をやるのは僕しかいない」と思っている。金守珍からは、この映画のテーマ曲を作ってほしいという注文があった。義夫と初子の、愛の歌だ。僕の歌は、社会的にとらえられることが多いけれど、自分が作る歌はすべてラブソングだと思っている。でも、ある特定の男女を描いた歌となると、今までそういう曲の作り方をしたことがないし、けっこう難しい。
始めは自分でも、どうなることやら、少し不安だった。梁さんの原作を読み返したり、韓国のリズムを取り入れて3拍子のスローな曲にしてみようかなどと、あれこれ試行錯誤してみた。物語から離れてしまうとおかしいし、かといって、はまりすぎても説明的だ。そんなとき金守珍が、「この曲を聴いたら映画を思い出すような、そんなラブソングを作ってよ」と言った。そうか、難しく考えることはない。とにかく美しいラブンソングを書こう。電車のなかで、ふっとメロディーが浮かび、家に帰ってピアノに向かう。今までギターで作曲することが多かったけれど、この歌は、ピアノで作曲した。そうして生まれたのが、テーマ曲「いつの日にかきっと」だ。映画には、そのほか、僕が今まで歌ってきた「鯨狩り」「峠」「ケンチャナヨ」「風まかせ」なども、アレンジを新しくして使う予定だ。
9月には撮影現場に行って、セットや撮影風景を見てきたが、とにかく素晴らしい映画ができつつあると実感した。たぶんこの映画は、歴史的な映画になるだろうし、アジアを代表する作品になるはずだ。ここはひとつ音楽で、ガツンと決めないと……。僕にしては珍しく、今、プレッシャーを感じているところだ。
※『夜を賭けて』は、サッカーW杯の開催年・2002年の秋に日韓同時上映する。
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