2002年 秋 日韓同時上映
日韓合作映画『夜を賭けて』に賭ける想い

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インタビュー ユー・ヒョンギョン

ユー・ヒョンギョン/1983年3月17日生まれ、18歳。96年、韓国TVドラマ「コムタン」でデビュー。「コムタン」は、ヒューストン国際映画祭ドラマ部門で金賞を受賞したのをはじめ、国際的にも高く評価された作品である。その後も映画、TVドラマなどで活躍し、現在、韓国で最も将来を嘱望される女優のひとり。映画での主演は本作品が初めてであり、韓国映画界の注目を一身に浴びている。


◎日本ははじめてですか。
ユー●はい。

◎特に印象深かったことはありますか。
ユー●そうですね。今回はホテルとリハーサル場所との往復しかしてないので、まだよくわからないのですが、日本の人が時間をきちんと守ることにはびっくりしました。韓国では、すごく早く来るか、すごく遅れるかっていう人が多いんです(笑)。日本人の人たちは時間通りにぴったり来ますね。あとは、とても親切だと思いました。

◎女優になろうと思ったのはいつごろですか。
ユー● 昔からいろいろなりたいものがあったんですけれども、小さいころからよくTVドラマを見ていて、ひとりの女の人が医者にもなって、学校の先生、花屋にもなっている。女優になったら、いろいろできるんだって思ったんです。そういうふうに思いはじめたのは幼稚園のころですね。
もうひとつは、韓国の人気グループがプロモーション・ビデオで子どもたちと一緒に踊っているのを見て、これだと思って事務所に登録したんです(笑)。

◎今回、日韓合作映画の主演となりました。決まった時のお気持ちはいかがでしたか。
ユー●最初はすごく嬉しかったんですけど、すぐにすごいプレッシャーを感じました。でも、台本をいただいて、初子の気持ちになっていろいろ考えていくうちに、頑張ろうという気持ちが出てきて……。監督も初子のことをいろいろ情熱的に語って下さったので、練習していくうちにプレッシャーもどんどんとれてきました。

◎台本の感想は。
ユー●私は在日ではないので完全に理解することはできなかったんですけれども、韓国でドキュメンタリーなどを見たりしました。在日の方の立場になっていろいろ考えているうちに、感情移入できるようになりました。

◎在日について、韓国ではよく知られているのですか。
ユー●やっぱり知らない人のほうが多いですね。教科書とかで習うにしても限界があるし、習ったとしても、試験のために一気に覚えてしまう勉強の仕方だったりするので、試験が終わってしまうと忘れてしまうというのが現実です。やっぱり、人が関心を持つのは、映画だったり本だったりすると思うので、何年か前に『シュリ』が公開になって、人々が南北問題に関心を持ったように、今回この映画でもっとみんなが在日に関心を持ってくれたらいいなと思っています。

◎監督の印象はいかがですか。
ユー●とても情熱的ですね。リハーサルでは、ただセリフだけを指導するのではなく、その時代の背景とかを話しながら、私たちを引き込んでくれる。おかげで、とても自然に演技ができるようになりました。一言で、カッコイイ人だなと思いました。

◎セリフは日本語ですけれども。
ユー●姉が大学で日本語を専攻していたので、姉から日本語や日本の文化についても聞いてました。だから、こっちにきてから特に戸惑うこともなく生活できています。

◎大阪弁はどうですか。
ユー●そうですね。姉は東京の言葉で勉強していたので、最初ははじめて聞く大阪弁に戸惑いました。今は、全部日本語に吹き替えたテープをもらって、それを聞いて勉強しています。難しいですけど、もともと日本語に興味があったので、全然苦ではなく、とても楽しい。

◎初子は、どんな女性だと思いましたか。
ユー●堂々と、自分の意見を曲げずに相手にびしっと言えるところが、女の子らしいというよりは少年のようだと思いました。だけど、そのあと義夫を好きになった後は、とても恥ずかしがる部分とかが出て来て、女の子らしいなと思うようになりましたね。私も人に自分の意見を曲げずになんでも意見を言えるところがあるし、好きな人の前で恥ずかしがってしまうところもとても似ているなと思いました。

◎相手役の山本太郎さんについてはどんな印象を持ちましたか。
ユー●かっこよすぎますね(笑)。体をとっても鍛えているので。筋肉質の男の人がタイプなんです(笑)。

◎この映画を見る人にどんなことを伝えたいですか。
ユー●まず、この映画を見る人はこの時代を知らない人のほうが大半だと思うので、その時代のことをしっかりわかってもらいたいっていうことですね。あとは、この映画を通して、そんななかでもこんなステキなロマンスがあったということをみんなに伝えたいです。

◎日本で映画を楽しみにしている人たちへメッセージをお願いします。
ユー●今回の映画もそうですし、もちろん自分のことも、日本のみなさんに知ってもらういい機会になると思います。一生懸命、誠実に演技を学んで、演技の幅を広げ、日本のドラマや映画でも活躍できるような女優になっていきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。  

このインタビューは、7月5日、リハーサルで来日した際に取材したものです。  通訳・崔美愛
(本文
『夜を賭けて』公式サイトより転載)

※『夜を賭けて』は、サッカーW杯の開催年・2002年の秋に日韓同時上映する。

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