韓国から寄せられた祝辞 |
ワンコリアフェスティバル2000 |
1・共同体意識改革国民運動協議会 金知吉氏
2・平和問題研究所 申栄錫氏
3・キョレハナ合唱団・団長 金春玉氏
4・議政府 芸総 会長 李興宰氏
5・民族和解協力汎国民協議会 執行委員長 趙誠宇氏
共同体意識改革国民運動協議会
金知吉氏
”あいさつの言葉”
皆様方、お会いできて本当に嬉しいです。私たちがこのように出会うまで50年間の歳月がたちました。とても感無量です。
わが民族は、文化民族として五千年間を一つの血統を維持してきて、同じ文化伝統で親と兄弟が生きてきた民族です。
わが民族の過去の歴史は、言いたくもない36年間の屈辱的な歴史は、皆様方がなぜここに居住するようになったかの原因になるものと理解されます。
しかし、祖国のイデオロギーの対立がもたらした南北分断の状況は、朝鮮戦争という国家的悲運が、南北間に引き返せない隔たりをつくったが、時間とともに変化への必要性を切実に感じ、いよいよ南北首脳が出会うようになったと思います。
さる6月15日、両首脳が会って以来、両側の間にはいいムードが形成されつつあります。
人間は出会いの動物です。人間は出会いによって育つものです。人間が人間である証は出会いがあるからです。もちろん、この世で出会うことなのです。
この世は地球の広さだけ存在してきました。五千年の悠久な歴史の中で出会い、育ってきました。
私たちにとって、時間というのは誰かとの出会いの記憶で生まれて、繰り返してきた歴史だったと思います。
だからこそ、お互いの理解と協力、調和が成し遂げられるのです。壁を乗り越えて、意思の疎通をします。ことがうまく展開されます。私たちは会わなければならないのです。南北が会い、同胞たちが会うべきです。
私たちはここまでたどり着きました。同胞の為に、祖国の為です。
哲人カントは「人間にとって、目的であり義務であることは自己自身の完成と他人の幸福です」と言いました。次元の高い人生観であるといえるでしょう。自己自身の幸福を求めず、他人の幸福を力説するカントの思想の深さと幅の広さには感心します。
第2次世界大戦の時、当時のナチスドイツ軍が、ユダヤ人600万人を殺したことを背景にして書かれた「死の収容所」という精神分析的な著書を書いたバクターフランクル博士は、人間にとって一番基本的な精神姿勢は、「意味を志向する意思(willto
meaning)」だといいました。したがって「なぜ生きるのか?」という人生の意味を持っている人は、何をやっても生きていけるといいました。死の目前でも、恐ろしさと羞恥の前でも、貧困の状況におかれても負けず生きていけるのです。
今は、21世紀のデジタル時代から情報化インターネットの時代が開かれました。巨大な通信革命が起こっています。デジタルで第二産業革命を築いていて、インターネットを通してものを自由に買えるし、無料で国際電話がかけられるようになりました。こういう現象は、過去には想像もつかなかった新しいことなのです。専門家たちは、これは始まりにすぎないと主張しています。
爆発的な変化が続き、急激な変化の時代を迎えることになるだろうと思います。
過去における客観的合理性のない偏見と固定観念を乗り越えなければならないと思います。今や互いに愛情をもって、愛し合い、理解し、協力する時、幸せな環境が整えると思います。
私たちは一つ(ハナ)になる運動を志向すべきです。ここに私たちの心を注ぎましょう。私は牧師として、45年間の牧会活動を終え、引退した元老牧師です。
去る全斗煥大統領時代に、NCC(大韓キリスト教会)会長を務めながら、民主化運動を主張しつつ、人権運動とKBS視聴料拒否運動の本部長として、言論改革に努めてまいりました。
軍事政権の下で地域感情が悪化し、権威主義の下で、個人主義が極大化してきた状況で、地域感情の解消運動を5、6年間持続しながら、お互いに分け合って生きていこうという目標を持って、共同体意識改革国民運動協議会を展開している中、今度の在日同胞を訪ねて、過去の痛みを乗り越え、ともに祖国統一のために頑張っていく目的でここを訪問し、皆様方と出会うようになりました。
特に、今日は金大中大統領がノーベル平和賞を受賞する日でもあります。意味のある日です。
私は共同体改革運動をしています。私たちは長い間軍事政権の下で権威主義から生き残るために個人主義が拡張してきたと思います。隣人同士への愛情はなくなり、共に生きていくことを忘れてまったのです。
共同体意識改革国民運動協議会(共・改・協)は己を改革し、社会を改革し、民族を改革しようとする意識改革運動です。
人間の生涯が終われば、何かを子孫に残します。物質的遺産よりは精神的遺産に影響を与える遺産です。自分の家族だけでも光を残せることができれば、成功した人生だといえるでしょう。一方、寂しくて、陰に満ちた過ちにあふれた人生の跡を残すことは大変残念なことです。
愛する同胞の皆さん!偉大な精神的遺産を残せる機会をつくっていきましょう。皆様方のご健康と成功を祈念申し上げます。
平和問題研究所
申栄錫氏
”韓民族和合ハンマダンを祝賀しながら”
新千年を迎えて、韓半島の分断と対立の歴史は、和解と協力の歴史の場に変わりつつあります。今年の6月、分断以後、初めて開催された南北首脳会談と6・15共同宣言は、南北間の国民と560万在外同胞の胸をたかならせ、そして全世界の注目を集める世界史的なことでした。
このような時に、在日同胞は韓半島の和解と協力をともに喜び合い、同胞社会を結びつける「ワンコリアフェスティバル2000(在日本韓民族和合ハンマダン)」を開催できるようになったことをとてもうれしく思います。
半世紀の間、わが民族が経験した日帝と分断の苦しみは、未だに深い傷として残っています。しかし、21世紀のわが民族はこのような傷を乗り越えて誇り高い民族として生まれ変わらなければならないのです。特に、民団と総連、そして韓国籍と朝鮮籍に分けて考える過去を清算し、お互いに協力し、日本社会で優秀な市民として生きていけることは大変重要なことだと思います。
同胞の情熱あふれる和合ハンマダン開催をソウルからもお祝いし、そして平和問題研究所は、同胞社会の和合熱気が韓半島に届くよう、持続的に努力していくことを約束します。
「ワンコリアフェスティバル2000」を心からお祝いし、鄭甲寿委員長を始めとして民族和合のために頑張っている同胞の皆さんに感謝の気持ちを表します。
キョレハナ合唱団・団長
金春玉氏
分断の半世紀を迎えたわが民族は、歴史的な出会いをもちました。今まで、多くの離散家族は絶えない苦しみを強いられて、在日同胞も南北の故郷を自由に往来することができず、祖国の地を踏むことさえできない悲痛な歳月を送らなければならなかったと思います。
私は16年間開催されているワンコリアフェスティバルに、93年の9回目より8年間、キョレはハナ(同胞は一つ)という意味を込めたキョレハナ合唱団を率いて参加させていただきました。小さな力であっても統一に寄与したという感動を日本におられる皆様とともに分かち合い、これからは過去のことを乗り越えて、一時間しかかからない祖国の地を踏むことができるように努力していきましょう。
統一を迎えるその日まで皆様のご健康、ご成功をお祈り申し上げます。
議政府 芸総 会長
李興宰氏
分断の半世紀ぶりに行われた南北首脳会談は本当に歴史的に意義深い出来事だったと思います。韓国の議政府市でも去る5月12日、ワンコリアフェスティバルを開催しました。今度の祝祭に、鄭甲寿委員長がハナを唱え、皆がハナをともに叫び、皆が一つになりました。私たちは一つです。一つにならなければなりません。そして、このハナの叫びが広く届くように、近いうちに北朝鮮からもハナの叫びが聞こえてくることを願うところです。
皆さん、その日まで力を合わせて、北朝鮮でもワンコリアフェスティバルが開催できるように努力していきましょう。
民族和解協力汎国民協議会 執行委員長
趙誠宇氏
今日、行われるワンコリアフェスティバルは16回目を迎えるまで同胞たちの努力と支えにより、また鄭甲寿委員長をはじめとした実行委員たちの絶えない努力と力により、ここまで来られたと思います。16年間の歳月は苦しい思いもあったと思いますが、これからがスタートだと考えながら、ワンコリアフェスティバルをもっと盛大で活発にしていくことを願うところです。
南北首脳会談は、冷戦の最後の島である韓半島に和解と協力の時代を開いた重要な出発点になったと思います。このようなムードの中で、南北の海外同胞が団結し、その力で民族の統一を完成していくことへの決意を確認できる、そのようなワンコリアフェスティバルの舞台になることを願います。
©1985-OneKoreaFestival.
tel/06-6717-6645 ,fax/06-6717-8781mail:Webmaster