We are One
―海の向こうでも”ハナ”を叫んでる。

静かな、流れるような動き。音楽のメロディ。
鮮やかな光と色彩。話す者はいない。
「We are one」─多民族合同公演芸術団が望むのはただ一つ。
それが活動の原点であり、指標であり、そしてすべてである。
「全てのマイノリティ達が、平和や調和の中でひとつになれるということを伝えたい。公演の目的は、それにつきます」。
メンバーは様々なエスニックバックグラウンドを持つ。アフリカ系、アジア系、ヨーロッパ系、ヒスパニック系etc。
それぞれのドラマチックで力強いリズムと踊りが解け合う。
メンバーのそうした絆を見て感じ、楽しむ観客がいる。その拍手に力づけられる。
90分の公演は、5部から構成される。夢、愛、出会い、調和、そして世界が一つであるということ。これらが、人々の和となるように、との願いが込められている。
We are one─わたしたちは一つ。
ハナ!


多民族合同公演芸術団
「We are One」
代表: チョウ・ヒョンジュ

 この芸術団は、アメリカにおいて同じ地域環境をわかちあう、さまざまなエスニックグループのリーダー達を結ぶことを目的としています。私達の社会では、アフリカ系アメリカ人、欧米系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人そしてアジア系アメリカ人が、互いに認め合うべき異なった面を持ち合わせています。こうしたさまざまな人種が、音楽・踊り・芸術を通じてつながるならば、異なるもの同士には橋が架けられ、誤解や偏見は減り、私達の社会に平和と調和がもたらされるはずです。

 ミュージシャン達そしてダンサー達は、音楽と踊りを通じて、心も体もつながっています。私達のパフォーマンスが、ことばや文化の壁を越えて、人類の絆を深め、あらゆる民族はひとつであることの証となれればと願っています。

ワンコリアフェスティバルと
「We are One」

アメリカでのワンコリアフェスティバル開催準備のため、実行委員一行が訪問したワシントン、ニューヨークでは、予想以上に大きな反響がありました。その一つが多民族合同公演芸術団「We are One」の呼応でした。チョウ・ヒョンジュ代表は、ワシントンの新聞を通じてワンコリアフェスティバルの主張と活動が、自分達のそれと合致することを見出し、ぜひワンコリアフェスティバルに参加して在日同胞や日本の人々と連帯し、交流したいと申し出てくださいました。私達もまた、ロス暴動後のこうした貴重な動きをぜひ紹介したいと思いました。しかし、手づくりのボランティアによってなりたっている私達にとって、それは大きな決断を要するものでした。そこで、他の団体・個人にも彼らの来日にあわせて「We are One」単独公演開催を呼びかけ、ご協力をお願いしました。うれしいことに様々な団体・個人が答えてくださり、日本各地での公演開催が決まりました。しかも、それらの公演は国際理解や阪神大震災の被災者へのチャリティー、共和国への食料支援など意義深い主旨と目的をもって開催されるものです。ハナの輪が深く確実に広がっていることに、言葉で表わしようのない感謝を覚えざるを得ません。


多民族合同公演芸術団
「We are One」
結成の背景

カリフォルニア州ロサンゼルス市は居住人口のうち白人はわずか41%であり、ヒスパニック系37%、黒人11%、アジア系11%とアメリカの中でも有数の人種、民族のるつぼです。約百万人といわれる在米韓国人のうちロサンゼルス一帯で生活する韓国系は約四十万人と言われ、母国以外では最大の韓国社会です。

そのロサンゼルス市で今から5年前の1992年4月29日、暴動がおこりました。黒人男性に暴行を加えたとして起訴された白人警察官に地裁陪審(12人の陪審員のなかに黒人はゼロ)が無罪判決を言い渡したことをきっかけに人種差別への黒人の怒りが爆発した、いわゆる「ロス暴動」です。

騒乱は4日間に渡りロス市内を駆けめぐりました。とりわけ、大きな被害を受けたのがコリアタウンでした。100軒以上の商店が集中的に狙われ、あるスーパーマーケットでは、プロの警備員20人と韓国人の若者有志30人が銃で武装し、黒人20人、ヒスパニック10人の襲撃隊と2時間にわたって交戦しました。居住人口の1割に満たない韓国人の受けた被害は、ロサンゼルス全体の4割を占めました。前年に韓国人の商店主が黒人少女を間違って射殺、韓国系と黒人の感情的対立が続いていたことも一因でした。

米国は多人種、多民族国家と言われます。しかし実は人口2億5000万人のうち、白人が2億1000万人、黒人が3000万人、その他が1000万人と、白人が圧倒的多数を占めています。この多数派の前では黒人の権利がいかに弱いものかをまざまざと示す裁判所の評決、それにたいする憤怒の感情が新参移民の韓国社会に向けられたのでした。

「韓国日報」米国本社では「黒人だけが悪いのではない。問題は、白人優越主義に加え、社会的・経済的な不平等にある」と暴動直後から理性的で冷静な指摘をしています。また、マスコミではあまり報道されませんでしたが、暴動の後、韓国系と黒人が一緒になって平和的なデモ行進をしました。さまざまなアジア系の団体が結集し、暴動のきっかけとなった警察官による黒人青年暴行事件の無罪判決を非難する声明を出しました。

チョウ・ヒョンジュ・アジア系アメリカ人芸術センター副会長は、このロス暴動を目の当たりにして非常に衝撃を受けました。「世界にはなぜ、こんなに悲しみや別れがあるのだろう」と。日頃から世界共通語の音楽によって、人は言葉の壁を乗り越え、ボディランゲージで理解しあえると信じるチョウ・ヒョンジュの呼びかけで「We are One」は結成され、様々なエスニックメンバーにより、新しい連帯と共生のステージを創り出しています。


    《主な活動実績》
1993年
 ●多様性のハーモニー(フォート・ベルボアにて)
 ●国際高齢者人権会議
 ●アジア太平洋アメリカ民族月間
  (ワシントンD.C.自由の広場にて)
1994年
 ●FCCEリサイタル
 ●ワシントンTV9チャンネル特別出演
 ●民族伝統祭
 ●黒人芸能TVコンサート
1995年
 ●ワシントンD.C.世界ジャズフェスティバル
 ●アジア太平洋アメリカ民族会議
 ●インターナショナル・ディナー・ダンス
 ●アジア太平洋アメリカ民族月間(多数会場にて)
1996年
 ●ディズニーワールド(マジックミュージック・デー)
 ●第18回コリアンフェスティバル
 ●地球村ワールドフェスティバル
 ●We are One(リンカーン劇場にて)
 ●ギャップを越えて〜コリア系、アフリカ系アメリカ人〜 (ボルティモア・WMARテレビ局)

《日本公演予定》(※1997)
10月5日 東京 ワンコリアフェスティバル
10月8日 横浜 スペースオルタ
10月9日 静岡 メディアホール
10月10日 大阪 生野区民センター
10月11日 神戸 神戸朝日ホール
10月12日 大阪 ワンコリアフェスティバル
10月14日 堺 サンスクエア堺
10月15日 西宮 アミティホール

   


  【We are one へのメッセージ】

黒田征太郎(イラストレーター)
ヒトとヒトの間に 国と国の間に 男と女の間に としととし(年令)の間に もっともっと あらゆるモノの間に線を引き カキネをつくってとじこもり、悲しく、寂しく生きていて。本当に生きているといえるのだろうか?
We are One(ぼくらはひとつ) こわがらずに、半歩でよいから前にでて We are One 溶けあってひとつになって イノチをみつめる人達に 僕も溶け込ませてもらいたい。


黒田清(ジャーナリスト)
「ハナ」はコリアの言葉では「一つ」である。草も虫も人間も一つ、なんとすばらしいことなのか。草のように、虫のように、無知であったが、自然の心で生きてきた道。日本もコリアも共に生きてきた時代。私たちは、そこから遥かに隔たった時代に生きているが、いにしえの道、いにしえの心を忘れてはならない。
We are Oneも「ハナ」の心だ。


黒田福美(女優)
飛行機の窓から 翼の下に広がる大地を見る
どんなに目を凝らしても
国境線なんて見えやしない
なのに私達は何故 ありもしない線を
たやすく乗り越えることができないのだろう
この舞台の上にこそ 理想の世界が実現する


(1997)

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