今年(1996)も「ハナ!」の想いに
|
|
16回目になる京都の宵々山コンサートは、3回前からアジアに顔を向けるようになり、その流れの中で韓国のオモニたちの舞踊研究所、朝鮮学校の歌舞団をゲストに迎えるという風に、南北のコリアー……ワンコリアもテーマになってきました。前回は岡本文弥さんが慰安婦問題を新内で語り、その後に南北コリアの仲間たちが文弥さんに感謝した時は、本当に感動的な場面になりました。文弥さんにしてみると、決して感謝されることではなく、謝罪をしなければいけないことで、その謝罪をする部分を新内で語ったことに南北の皆さんが感謝して下さった。ここにあることが、日本人にとってとても大事なことではないかと思います。
南北が一つにならなければいけないという時に、二つが一つになるための接着剤は何かと考える時、それは芸能であったり物の考え方であったり、いろいろあると思いますけど、我々はひょっとすると、接着剤の役割をお手伝いできるかもしれないと思っています。ワンコリアフェスティバルが、これからもそういった接着剤の仲間を取り込みながら、成功するようにお祈りしています。
永六輔(えい・ろくすけ)
|
ワンコリア活動が始まって、分断状況にある祖国の統一思考が大きく一人一人の胸の中に根を下ろしたと感じている。とりわけ在日同胞の韓国籍・朝鮮籍という分断状況をうにまとめ上げた活動だと言える。一日も早くワンコリアの活動の目的が達成される様、みんなの力を結集しよう!
愼英弘(しん・よんほん)
|
水面に放った石が波紋をつくるように、誰かと会うこと、誰かと話をすること、そのために自らが動くこと声を出すことで、必ずひとは変わっていけるはずだと信じています。今年もより一層の盛会をお祈り申しあげます。
鷺沢めぐむ(さぎさわ・めぐむ)
|
再び熱くワンコリアフエスティバルが開かれる。
この言葉「ワンコリア」を聞くたびに割り切れない気持ちを隠す事が出来ない。
我等祖国の翼の「ワンコリア」の実現は一体いつになるのだろうか?
いっその事、あきらめようか。いや、いけない。
私の手で、貴方の手で、皆の手で出来る事を何かしなくてはいけない。
その集大成がこの”ワンコリアフェスティバル”ではなかろうか。この思いよ、天に届け!
金順子(きむ・すんじゃ)
|
当初の「民族」の統一、「祖国」の統一、すなわち「ワンコリア」の実現を目指すものから、現在はそれにとどまらず「アジア共同体」を展望するものと位置付けられているという。
このフェスティバル。「在日コリアン」の、国家ばかりでなく民族をも越えていこうとする意気込みが感じられるのだ。
他民族との共生の中から、新たな民族性を確立すること。そして各々の新たな民族形成によって既成の民族概念を打ち破り、それまでの国家による支配・被支配、差別・被差別構造を根底からひっくり返すということが必要ではないか、などと考えさせられてしまった。
こうした中で、既存の民族文化に自己の民族性を求めるのではなく、自己の現在から新たな民族文化を創出することこそが、新たな民族形成なのだということを、このフェスティバルから教えられたような気がする。そのような民族文化の相互作用によって生み出されるものが「混民族芸術」なのだ。
伊達政保(だて・まさやす)
|
40歳を過ぎて突然隣国に興味を持つようになり、現在に至っております。カタコトながら喋れるようにもなり『まんがハングル入門』などという本も出してしまいました。また韓国音楽友の会というのにも入っており、レバートリーも軽く百曲を超しております。新宿の居酒屋では、留学生と互いに相手の国の歌を歌いあったりしています。韓国の漫画家達とも交流が深まり、日本の漫画家を連れて何度か訪韓しました。このようにささやかながら隣国とのかけ橋をやっております。一人一人が自分の物差しでおつきあいすることが大事だと思います。ワンコリアへの参加はこれが二回目ですが年ごとの盛り上がりは明るい未来を感じごせてくれます。ワールドカッブのころには念願のワンコリアが実現とれるのではないでしようか。もちろん楽は道ではないでしようけど。
高信太郎(こう・しんたろう)
|
ワンコリア"という言葉は大変響きが良く、しかも今の朝鮮民族の願いをもっとも鮮やかに表現しています。
心ある日本人は隣邦民族が互いに「南」「北」に分かれたまま、不和・不幸であることをのぞみません。
まして、迷惑をかけたことや未だ侵略を居直り、民族差別を温存している日本の実情に思いを致すなら尚更のことです。
僕は一人の日本人として・「南」「北」双方の民衆の方々と分け隔てなく友人でありたい、と思っています。
それ故、朝鮮民族が自身で自主的・平和的・民主的統一を実現することを願っています。「ワンコリア」の理念をもった様々な運動の発展を願います。この点で、朝鮮民族の自主的な願いを外枠、国際政治の面で、抑え込み、日本人にも不幸をもたらす、冷戦の遺物とも言える日米安保条約は不要と思っています。
塩見孝也(しおみ・たかや)
|
阪神神戸大震災は、大きな試練をわれわれに与えた。そしてその中では、「共生」の中身が問われた。
被災地では「外国人救援ネット」が作られ、オーバーステイ外国人の治療費、弔慰金などの課題に積極的に取り組んだ。全国からの応援に本当に感謝している。
日本社会はまだまだ多くの排外的な側面を残しているが、日本人も外国人も困難な状況のもとで助け合った。
コリアンの「ハナ」の精神での活動は、多くの感銘を与えた。民族の違いを超えた救援活動は、新しい「街づくり」に生かされることだろう。ワンコリアフェスティバルが先取りしている「世界」は、その街づくりの素材となる。
飛田雄一(ひだ・ゆういち)
|
天上界にて
「百済王さんよ。まあ今は音の話だが、よくよく長い間お互いに凌ぎを削りながら戦ったもんだな」
「おまえさんが『唐』と連合して攻め込んできたひにゃ驚いたよ。一族郎党命からがら玄海磯を越えて『倭百済』にいる先に渡って言った一族を頼ってほうほうの体で逃れたもんな」
「いやあいやあすまなんだ。ところで高句麗の大王よ。おまえさんとこは『隋』や『唐』まで蹴散らして広大な領地を手に入れ大きな碑までおっ立ててなんだいあれは戦勝碑なのかい?」
「いやぁお恥ずかしい。俺の刻み込んだ碑文を勝手に改竄したしないで揉めているようだが。まあ言わぬが花かな。ときどき倭の、なに? あっそうか今は日本というんだな。そこに俺の末裔が『さきたま』なる地に杜「モリ」を建て、うん高麗神社とか言うそうな。そこに遊びに行くのが楽しみでな」
「ワシも行ったことがあるが国境を越えたくさんの善男善女が詣でていたわな」
「国境といえば我らが命を賭し譲ってきた国が今二つに分かれているのは実に実にまことに以て残念だ」
「よく言うよ。いつも、おぬしから先に侵略してきたくせに。でも心配だな。大義名分はどうであれいつの世も戦争で泣くのは民衆だからな」
「ところでここ十年少し前より倭あっ日本ね。そこで若者たちが我らの国の統一を願って新しい大きな動きがあるようだが?」
「ワシも聞いた。『ワンコリアフェスティバル』とか確か言っていたな。国境を越えた心ある人々が集い平和裡に統一が為されるよう呼びかけているあの祭りのことだね」
「俺達の時代にゃ今となっては恥ずかしいが三つに分かれ互いに武力で覇を競ったもんだ。それにそんな動きがあればすぐさま弾圧したもんな」
「いやぁそれを言われると穴があったら入りたい。それぞれが独自の文化を数多く残したが残念なことに戦火で灰燼に帰したものも随分とあったな。一部は倭いや日本に流れて花が咲いたようだが。まっこと残念じゃ」
「戦争はいかん!戦ってきたわれわれが声を大にして後世の末裔たちに訴えたいッ!」
「そのとうりッ!あの時はお互い本当にすまなんだ。今統一のため 手弁当で汗流しながら頑張っている彼らから爪のアカでも貰いたいもんだのう」
「よしッ!ワシが煎じてさしあげよう。一緒に飲みながら天上界より応援しようではないか」
「イエッ!(よし)クロッケハゲッスムニダ!(そうしよう)」
李康則(り・かんちっ)
|
©1985-2001 OneKoreaFestival. tel,fax/06-6717-6645 mail :Webmaster